株式会社MiRESSO(本社:青森県三沢市、代表取締役CEO:中道勝、以下「MiRESSO」(ミレッソ)という)と大平洋金属株式会社(本店所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:青山正幸、以下「大平洋金属」という)は、包括的業務提携契約の締結を行いました。MiRESSOは独自の低温精製技術のパイロット実証のため、大平洋金属の製造所内にベリリウム製造のパイロットプラント「BETA」(Beryllium Testing plant in Aomori)を整備し、2027年度中のベリリウム生産開始を目指します。
1. 包括的業務提携の目的と概要について
MiRESSOは2023年10月に、文部科学省中小企業イノベーション創出推進事業(SBIR フェーズ3)核融合分野(事業テーマ:核融合原型炉等に向けた核融合技術群の実証)の採択を受け※1、新たな低温精製技術を用いたフュージョン(核融合)エネルギーに必要となるベリリウムの生産を目指した、ベリリウム製造販売事業を進めています。また、MiRESSOの低温精製技術をプラットフォームとして展開し、リサイクル分野も含む鉱物資源の精製におけるそれぞれの課題に応じた精製プロセスの提案、技術ライセンスを行う技術プラットフォーム事業も展開しております。
大平洋金属は、フェロニッケルを中心にステンレス主原料の製造販売を行っており、中期経営計画PAMCO-2024の重点施策では「社会に貢献する新規事業の創出」を掲げ、新たな金属製錬プロジェクトの推進のもと、クリーンエネルギー技術に必要な金属原料の供給を目指しております。
この度、MiRESSOと大平洋金属は、「ベリリウム製造販売事業」及び「低温精製技術の技術プラットフォーム事業」の事業化に向け、両社が有する経営資源やノウハウを持ち寄り推進することを目的とした包括的業務提携契約を締結し、その一環として、大平洋金属の製造所(住所:青森県八戸市大字河原木字遠山新田5-2)の一部を賃借し、製造所内にMiRESSOのベリリウム製造のパイロットプラントを整備することとなりました。
※1:株式会社MiRESSOが文部科学省の中小企業イノベーション創出事業(SBIRフェーズ3)に採択(20億円)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000129969.html
■ MiRESSO代表取締役CEO 中道勝からのコメント
大平洋金属は、地元青森に拠点を置かれていて、これまでも有形無形の支援をいただいておりましたが、今回、包括的な業務提携を締結できたことは大変心強く思います。大平洋金属の施設をお借りして、ベリリウム製造のパイロットプラントの整備を進めていきます。
MiRESSOはベリリウムの安定供給により、フュージョンエネルギーの社会実装に貢献します。
■ 大平洋金属代表取締役社長 青山正幸からのコメント
MiRESSOは、青森県六ケ所村にある国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構の認定を受けたフュージョン(核融合)スタートアップであり、これまでも低温精製技術を活用した製錬の研究に支援をいただいておりました。ベリリウムについては、フュージョンエネルギー発電やベリリウム銅製品に必要な金属であり、今後の需要拡大が期待できる金属です。大平洋金属は支援体制を整え、ベリリウムを安定かつ低価での供給の実現に貢献します。
2. BETAの概要
BETA(Beryllium Testing plant in Aomori)では、新たな低温精製技術のパイロット実証を行うとともに、2027年度中にベリリウム生産を本格始動し、ベリリウム製品の販売開始を目指します。
なお、BETAの整備についてMiRESSOは、プラントエンジニアリング会社最大手の日揮株式会社に対して、BETAの基本設計を委託する基本設計契約の締結を行っております※2。
※2:株式会社MiRESSOが、日揮株式会社との間でベリリウム製造のパイロットプラント「BETA」の基本設計契約を締結
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000129969.html
[BETA概要]
所在地:青森県八戸市大字河原木字遠山新田5-2
面積:約300 m2
生産開始:2027年度中
完成イメージ図:下記ご参照
MiRESSOは、BETAによるパイロット実証の結果を踏まえた上で、フュージョンエネルギーを実証する原型炉・商用炉の建設が本格的に進む2030年代初頭に、ベリリウム生産年100トン規模の量産プラントを建設することを目指しています。